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祝辞)TRYFULLの二期生をお迎えして

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  祝辞   新入生のみなさん、入学おめでとう。  我が国では、昨年の7月、相模原で、何の罪も無い無抵抗の障害者の方々、19名が犠牲になり、多くの方々が深い傷を負う凄惨な事件が起こりました。皆様の中にも、この報道に接して、途方に暮れた方がいたかもしれません。  この事件以来、「命の尊さ」について、子どもたちに話す機会が増えました。  この事件の根底には、様々な経緯や特別な事情が絡み合っていると思います。私が献花した際、正門の前で首を掻き切る仕草をした若者が写真を撮っていました。人の心の中には、残念なことに「優生思想」があることが知られています。「生きる価値がある人、価値がない人」、「頭の良い人、悪い人」、「役に立つ人、立たない人」という偏った考え方で人を捉え、命に優劣をつける思想です。  連れて行った長女は、それを見て泣きました。彼女の心に本来の人間が持つ、優しい心、「正義」が宿った瞬間だったと思います。私は父として自分自身と向き合いました。私は,相模原の事件を「特別な変質者による犯行」として、風化させたくありません。むしろ、私の心にもあるかもしれない誤った考え方と向き合っていくことだと考えています。  容疑者は、津久井やまゆり園に入職してから,全身に入れ墨をしました。麻薬を使っていることを薄々分かっていた職員がいたかもしれません。その恐ろしく変化していく心を感じ、それを受け止め、真摯に立ち向かったか。筋の通った態度をとったか。この仕事に携わる一人として、他人事ではありません。職員の皆さんの葛藤を考えると,深く同情します。  私たちたすくのスタッフが、毎日読み込んでいる、たすくナビゲーターの中の一節です。 「我々が生命を託したこの美しい地球、この美しい国、これに何か記念物を遺して逝きたい。  では、我々が後世に遺せる最大の遺物は何か。それは勇ましい高尚なる生涯である。  この世の中が希望の世の中であるという考えを、われわれの生涯に実行して、その生涯を世の中への贈り物としてこの世を去ろうということである。」  内村鑑三「後世への最大遺物(岩波文庫)~高尚なる生涯~より」 S.K.さん、真っ直ぐな君とご一緒できること、誇りに思っています。 O.M.さん、王子様を何年もかかって口説きました。ずっと一緒に