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7月, 2017の投稿を表示しています

発達障害やASDの療育は、いつから取り組めば良いのか

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• オゾノフら(1998)は,ASDに対して有効な療育プログラムに共通する特徴を3点挙げています。   ① 構造化された 行動療法的で教育的なアプローチ をとっていること   ② プログラムを 家庭 でも 実施するために親 のトレーニングも行っていること   ③5 歳までに開始して いる という こと 文献 ) Ozonoff , S. et al.: Effectiveness of a home program intervent ion for young children with autism. J Autism Dev Disord ., 28: 25-32, 1998.   これらの調査から、20年経っています。 最近では、   ①脳科学に基づく(科学的根拠のある)最新のプログラムを活用すること  ②行動的な問題リスク、精神疾患に関するリスク、様々な疾病リスク、最貧困に陥るリスクを避けるために、本人の障害の特性を理解すること。次にその対策として、構造化、ABA、代替コミュニケーション、神経心理学等に精通しておくこと。  ③親は、あらゆる活動(療育、教育、支援)の中心となり、子どもの教育権や生存権を中心に守ること。専門家を必要に応じて選択し、協力してもらうこと。   ④1歳半検診から指摘があったら療育に取り組んだ方が良いが、療育開始時期が15歳以上であっても療育をやらないよりはずっと良いから取り組むこと。(30歳程度まで療育の効果が報告されている研究もある。)  ⑤社会体制の整備に応じて、自らがキャリアファンタジーを失わないこと。そのためにも、生涯の計画を早期に作成し、成人以降の備えをすること。成年後見制度等、遺言、信託等のファイナンシングについては特に意識すること。  

7.26を忘れない。〜TASUCグループ宣誓

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黙禱(もくとう)silent prayer それは突然だった。 6時に起床、テレビで第一報が流れる。 7時のニュース、当然のトップニュースでした。 7 ・ 26 を忘れない   TASUC グループ宣誓   19 名の日本人の一周忌を、あえて笑顔で臨もう。  そうでもしないと、打ちのめされて前に進めない。  いつまでも打ちひしがれてはいられないことは分かっている。でもまだ立ち直れないでいる。  子どもたちは、今も助けを求めているかもしれない。自由であることは何よりも大切なのだ。人にはリスクを冒す尊厳がある。  献花台で、笑いながら首を搔ききる仕草をして記念撮影する若者を見た。インターネット上では「優生思想」に同調するような意見や、被告人を擁護する意見が散見された。  たった一年で、忘れようとしている人がいる。忘れてしまった人もいる。元職員が明確に「死ぬべきだ」という意思をもって起こした殺人事件を、私たちは一生忘れることはできない。  献花しても、被害者のご家族にお話しを聞いても、仲間同士語り合っても、無力感は埋められない。発達障がいのある専門家集団として、何ができるか。必死に考えれば、自ずと答は出てくる。  創業の精神である、「典型発達と同じように、発達障がいのある子どもたちにも、世の中の人の役に立つ存在になってもらって、本当の幸せを手に入れてもらう」仕事を続けよう。これまでより早く、そして強く。  我ら、世界一の 「チャレンジドのための挑戦機会の創造集団 」 <事件の概要> 平成 28 年 7 月 26 日   午前 2 時 38 分  事件発生   ・当直警備会社は、早々に仮眠   ・当直者 20 人に 1 人+ 1 名   ・ガラス戸の警備は解除されており、侵入を許す 場所:相模原市 緑区千木良の知的障害者施設「神奈川県立 津久井やまゆり園 」 第一報:「 刃物を持った男が暴れている」との 通報 ・事件 に気づいた施設の当直職員が、非番の男性職員 に LINE を 使って「すぐ来て。やばい 」と 連絡を取り、連絡を受けた男性職員が電話で確認の 上、警察 に 通報。 戦後最大の大量殺人事件:  現場

ハンドスピナー(英語圏では fidget spinner)について

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ハンドスピナー 英語圏では フィジェットスピナー (fidget spinner)  初めて見たのは6年ほど前だったかな?なにせ、日本に入ってきましたね〜。夏祭りのメインになっているかな?ヨドバシカメラでは特設コーナーがありますね。  確かに気持ちいいですね。  単純に面白いからだけではなさそうです。  手中で爽快に回る「回転系」に、前庭感覚が満たされ、末梢神経の刺激があるから、説明しなくても多少の知識がある人なら納得できそうです。  当時も、「すごいな!」という良い意味で感想でした。それが、一気に、たくさん作られて、日本中にあふれたのが今年です。 今日は,久しぶりの休日なので、ようやく、ハンドスピナーを買い込みました。  各教室で使うためです。色のバリエーションがあるプラスチック製で、LEDの光るものを基本にしました。赤青黄色を基本色とすることで、認知の学習にもつながるお子さんもいます。  いつものように、「僕は、黄色い、ハンドスピナーで、遊びたい」と四語文のトレーニングに励むわけです。  さて、たまたま購読しているニュースウィークのWeb版に、「ハンドスピナー大流行、教師困惑 ADHDへの効果も実証されていない」とありました。6月頃だったかな?  確かに,記事のとおり、授業中に回していたり、ましてや鼻の上に乗せて回しているようじゃ、困惑しますね。ダメです。  さらに手が塞がれてしまうから、書字やPC操作の際には、やっぱり止めないと。  発明しながら,特許を逃して、いろいろあるみたいですが、いかにも豪快そうで、会ってみたいキャサリン(Catherine Hettinger)氏は、ASDへの効果にも触れています。 Her views are not shared by increasing numbers of schools, who are  banning children from bringing or using the spinners  because they are seen as a distraction. But Hettinger said she was pleased that in other circumstances, schools were finding the devices

Give all children a challenge and a challenge again

 7月に入り、札幌市、長野市、そして本日、鹿児島県の鹿屋市の「たすくの療育」を終え、  J☆sKeps™研究会も合わせますと、総数で200名くらいの方が、2017年にたすくの療育を学ばれます。  もちろん素晴らしいことですが、TASUCという療育プログラムは、様々な先人の努力を組み合わせたものと言うことができますし、「型」としての存在でありたいと思っています。  「型」は、子どもたち一人ひとりに合わせるための「型」ですから、応用を利かせる為には、やはり療育者、支援者一人ひとりの力量が試されます。  まさに真剣勝負です。  その時、何が役に立つかを、今日のように呼んで頂けた会で語るのも仕事なのですが、これが「理念」なのですね。    先日、「放課後等デイサービスの職員が、そこに通っている13歳の女子をホテルに連れ込み淫行する」という事件が報道されました。例えば、これを聞いて、テレビで見て、何を思うか。  ・こういう容疑者が、存在するから最初から外に出さない。  ・こういう容疑者のような人物を雇うことを避ける。  ・こういう容疑者のような人物しか来ないような放課後等デイサービスは廃止する。  ・ホテルの従業員は何をしていたんだ?警察は何をしていたんだ・・・・ こう言った、システム論は、普通にたくさん出てきます。  私たちは、こう考えるわけです。  ・ 本人が、こういう容疑者(顔見知りだけど最低の男だった)に、「嫌だ」と伝える 。  この「意思決定」「自己決定」「意思決定支援」までの道のりを「療育」といって、進めています。  個人的には、僕の悩みを打ち明けて「相談に乗ってくれる」、障がい?があった人を育ててみたい。これって、普通の教師とおんなじ期待や希望だと思います。 しかし僕はまだ、 7・26の深い絶望感からは未だに抜け出せません。もうすぐ、一周忌です。  7月23日日曜日、鎌倉商工会議所B1ホールにて、10時から  田中哲先生をお迎えして、「あの日を忘れない」というシンポジウムをします。 お申し込みをお待ちしています。