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「正義のヒーロー」は決して屈しない。 〜相模原障害者施設殺傷事件. 7・26を忘れ(られ)ない【たすく代表ブログ】

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 相模原障害者施設殺傷事件、いわゆる津久井やまゆり園の19名殺人事件は、 2016年7月26日の早朝におきました。  私は、複数回、訪問したこともあり、勤務している職員と現地で学習会を行ったこともあります。親しい仲間も勤めていました。   この仕事に携わる人は、正義の人です。  僕を育ててくれた先輩にも、同僚にも、それは1000人にも10000人にもなりますが、一人もこんな事件を起こす可能性のある人は居ませんでした。 それどころか、   皆、正義のヒーローでした。 だから、こんな僕もこの仕事に人生を懸けたのです。  僕が見たのは、  昨日も今日も明日も明後日も、障がいのある人と共に暮らし、療育し、教育し、支援し、将来を憂いながら、それでも立ち向かう、大人たちです。一緒に生きているのです。  家族がある人は、自分の健常の子どもを顧みず、他人の子のことを考え、24時間体制で常に気を張り、深夜でも駆けつけ、泊まりもします。夏休みも正月もありません。ちょっとした不安定な状態でも、皆で協力し合い、涙を共に流し,添い寝もします。  それが、僕がこの仕事に就いた理由です。「こんなことできない」と思ったからです。  すごいな、これは、とても自分にはできないと思ったからです。  僕の「正義のヒーロー」です。  まだまだ、みんな死んでいません。全国各地に正義のヒーローがいます。 (以下、自己分析) ・この2年間は混乱の連続、何度もこの事件を思い出して仕事をしていた ・何をしても、以前のように喜べず、虚しくなることもあり、けれど目の前にある会社、法人、利用者を守るのが精一杯だったというのが本音 ・「意思疎通ができない者を安楽死させる」という発想をもつ同僚がいるかもしれないという前提が無かった ・公益財団法人日本知的障害者福祉協会 http://www.aigo.or.jp/menu07/ の人材育成委員という(津久井やまゆり園の改善ができた可能性をもつ)責任ある立場にあったのに、「意思疎通ができない者を安楽死させる」という考えを持たないように人材育成するという計画を立てなければならないことを、まだ許容できていないかもしれない ・以前のように仕事を「楽しむ」という感覚は失った ・ただ、僕たちの中にいる正義のヒーローは、決して屈しない

放課後等デイサービスの改善案(まとめ)【たすく代表ブログ】

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○障がいのある子どもの放課後は、長い間の課題だった。放課後等デイサービスの普及を後退させてはならない。 ○放課後を「遊び」や「託児」程度に考えるのは、福祉の思想に反する。 ○学齢期におけるサービスなのだから、「基本的人格の完成」に準ずることが大切である(下記「教育基本法第一条」)。 ○放課後等デイサービスのスタッフが決して「専門性」が劣ることを認めてはならない。 ○障がいに垣根はないから、重度心身障がい児、医療的ケア児支援も積極的に行う。 注)教育基本法第1条 (教育の目的) 教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。 (本文) 1  放課後や長期休業中の成長、発達を担う放課後等デイサービス 2012 年(平成 24 年)に、障害児の放課後の居場所として創設された放課後等デイサービスは、これまでのわずか 6 年の期間で、事業所数、利用者数、共に約 4 〜 5 倍になるなど、全国で急増しました。 放課後や長期にわたる夏期休暇は「親子ともども地獄です」 という言葉は、 20 年以上前に障害児の放課後実態調査をした際に、保護者が実際に自由記述欄に記した言葉です。 今とは比較にならないほど、定型発達に対する放課後活動(部活動や学習塾)が盛んな中で、障害児だけが取り残され、孤立し、活動する場が整備されてきませんでした。 私たちのように、その時代に「ボランティア」として活動してきた経験がある人なら、まさに手弁当で行ってきた放課後や長期休業中の成長、発達を担う取り組みに対して、公費が支払われるのだから、今はまさに夢のような時代です。 2  障害を「適応の問題」として捉える現代だからこそ、放課後は重要な療育の場となる  放課後等デイサービスの場が十二分に普及し、場の確保が叶った今、この状態を後退させてはならないと思っている元「ボランティア」も多いでしょう。この時代の「ボランティア」たちは、ノーマライゼーション、インテグレーションなどの高い志に心酔していたから、放課後をその実現の場として捉え、「彼らが一人で街を歩いたり、公共交通機関を使って移動する」ことや、「学童保育や学習

重度、最重度のお子さんへの就労支援 〜なぜ,最初から年金受給者なの?〜【たすく代表のブログ】

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○お久しぶりです。今年度は「たすくの療育7」を2巻にしてリリースし、これから教材の整備です。 ○今回は、重度、最重度といわれる障がいのある方への就労支援です。実はたすくも苦戦しています。 ○軽度、というかちょっと昔は対象じゃ無かった人は、良かれ悪かれクローズアップされてますが、重度、最重度の方の就労移行支援って、どうなんでしょう? ○療育技術は確実に上がっていて、たすく療育も成果を残していますが、このままじゃ、成果が発揮できません。 ○何で??と思ってますが、自分たちで事業をしてみて分かったこともありますので、書いてみます。 (本文)  以前にお知らせしたとおり、お隣の国、韓国では、知的障害特別支援学校の高等部卒業後の「専攻科(1~2年の延長)」の設置率が約50%となっています。(2年前の調査、もっと上がっている可能性あり)  現地でインタビュー(2回訪問)すると、軽度や中度は就職するが,重度や最重度のお子さんのニーズが高いことが分かります。  簡単に諦めない、粘り強い教育的支援が描かれる仕組み です。 私がNISE(National Institute of Special Education)時代に、KISE(韓国の同様の機関)と交流して、 「これはKISEはレベルが高いな」と実感したとおり、差が付きました。  小さい子どもたちの療育について内容をパッケージ化する「たすく療育」というモデルから、 18歳以降の就労移行支援、自立訓練、グループホームの支援についての内容をパッケージ化する「トライフル」というモデルに取り組んでいますが、 「トライフル」で苦戦 しています。 一昨年なんかは、「普通のB型だね」とか「障害が重いから仕方ないね」と言われることがありました。 すぐに改善するように現場に行ってみると、確かにそういう側面が出ていて、MTGするとスタッフはみんな、うちのグループがやりたいことをよく分かっています。 「確かに意識が揺らいだ」「軌道修正します」といって、数週間は改善するんだけど、結局、後戻りしてしまう。 これが続きました。  最近、良くなってきたのですが、就労移行支援や自立訓練事業の現場での対話をとおして、 ほぼ 就職先の意識との狭間が問題 なんだと分かってきました。スタッフが一般的な風潮に迎合してしま