【代表ブログ】 #知的障害 #知的障害教育 を見直す!

#知的障害とは

 
 知的障害は、ASDやダウン症、肢体不自由や盲聾教育でも、合併するケースが多く、「障害を理解する」には大切なテーマです。

 知的障害は、一般的に、お腹の中にいる胎児期や、出生時、出生後の比較的早い時期の発達期(18歳以下とすることが一般的)までに生じます。物の名前を覚えたり、色の違いを区別したりする「認知」や、家族の使っている母国語を再現したり、その言語を使って働き掛けたりする「言語」に関わる機能などの「発達」や、簡単なお手伝いや仕事、短い時間でも自分一人で過ごすことができる「余暇利用」などについての「適応行動」が、同年齢の他者と比較して、平均的水準より遅れがある状態とされています。そのため、知的障害の困難を調べるには、特別な援助や配慮なしに、同じ年齢の人と比較することも大切です。

知的障害の定義と判断
 知的障害の定義は、WHO(世界保健機関)の ICD-11 と、アメリカ精神医学会の DSM-5 とい う診断基準がよく使われています。基準にはそれぞれ違いがありますが、どの基準も、知的能力だけではなく、社会生活などで不便を感じている状 態を重視している点で共通しています。つまり知的障害とは、同じ年齢の人が平均的にできるレベ ルの生活に関わる能力が制限されている状態を判断基準にします。ここでは代表的な3つの基準を取り上げます。

(1)知的能力の遅れ(IQ70 以下)があること
 個別に実施した知能検査で IQ(知能指数)が明らかに平均より低いことです。知能検査は、100 が平均です。一般的には軽度(IQ50 ~ 69)、中度(IQ35 ~ 49)、重度(IQ29 ~ 34)、最重度(IQ20未満)が知的障害の判断基準になります。数値に幅があるのは、知能検査に誤差があるからです。知的障害はIQで分類はできますが、IQだけが重視されるわけではありません。IQが70 以下でも、適応能力があれば、知的障害ではありません。つまり IQは一つの指標にすぎず、他の基準と総合的に考慮されてはじめて知的障害と判断されます。また、軽度から中等度の障害では、ある程度成長するまで、適応能力の面で遅れがあまり目立たないことから、IQ が大きな判断材料になることもあります。

最重度
重度
中度
軽度
境界域
標準
図1 知的障害の IQ による分類
(判断が難しい中等度から軽度の障害では、IQ が判断材料になる)

(2)発達期に現れること
 知的障害と定義されるのは、何が原因で知的障害になったかは関係ありません。発達期に発症していることが条件になります。発達期とはだいたい18歳くらいまでを指します。そのため、大人になってから知的な能力に何らかの問題が発生したり、適応行動が困難になったりしても、知的障害とは判断されません。

(3)適応行動をすることに困難があること
 適応行動とは、その場や状況に合わせた行動をすることです。それが、同じ年齢の人と比較して明らかに低いと知的障害と判断されます。ここでは代表的な3つの分野の適応行動<概念、社会性、日常生活動作>をご紹介します。

表1 代表的な適応行動
概 念
◦言語を理解する、言語で表現する。
◦読むこと、書くこと。
◦お金の役割や価値を理解する。  
◦自分の健康や行動を管理する。
社会性
◦自分に自信を持つ。 
◦人との関係を築く。
◦法律や決まりを守る。 
◦自分の責任を果たす。
◦人からだまされたり、操られたりしない。
日常生活動作
◦食事や歩行、排せつ、衣服の着脱をする。
◦決まった時間に薬を飲む。
◦整理整頓をする。
◦公共交通機関を使ったりして移動する。

 障害がある人の療育、教育、支援を進めると、皆さんの中に、大変な葛藤が生まれるかもしれません。「このままじゃダメだ」「私は何も役に立っていない」、
 皆さんが目の前にいる「人物」のありのままを理解することができているでしょうか? 貴方に知的障害が無ければ、自分の経験や勝手な理解で、療育や教育ができるはずはありません。
 ただし、「このままじゃダメだ」と、そんな気持ちになるのは、皆さんが真剣に仕事に取り組んでいるからです。「仕事を辞めたい」「ここから逃げ出したい」「利用者の方にパニックを起こさせてしまった」等、現場で仕事をしていると、いろいろな挫折を感じることも少なくないでしょう。
 そんな時、 先人たちが残した研究や臨床、様々な知見を生かしましょう。
そう、「無知は罪」
 障害を理解することで、この仕事に携わることに「自信を取り戻し」「誇り」を持って前に進めるようになってほしいと考えています。

 その際、適応行動を思い出してください。適応行動は文字どおり社会に適応するための行動(スキル)です。聞こえが悪い、迎合的でインテリは好まない言葉なのかもしれない。しかし、私たちだって日本人には日本語を使い、英国人には英語を使おうとする、適応行動を取ろうとして社会性を守ろうとします。 知的障害がある人にとっての適応行動は、私たちにとっては基礎的な内容に留まるかもしれない。でも大切なんです。必要なんです。もう一度、適応行動を見直すことで、皆さんにとっての指標、目標、目指す先となり、迷いを確信に、不安を自信に変えるものになると確信しています。



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