交流校のミラル学校(韓国)に祝辞の寄稿

創立20周年を迎えた交流校のミラル学校(韓国)へ、お祝いの言葉を寄稿しました。

ミラル学校の創立20周年を迎えられますことに、心から御祝を申し上げます。
 私は、日本で、国立特別支援教育総合研究所に研修員として勤めた後、「TASUC」という療育専門の機関を起業し、学校の教職員に向けた専門コンサルタントや放課後支援を中心に事業を行っております。韓日の交流において、ミラル学校の皆様には並々ならぬご恩をいただいております。
 我が国では、昨年の7月、相模原で、何の罪も無い無抵抗の障害者の方々、19名が犠牲になり、多くの方々が深い傷を負う凄惨な事件が起こりました。韓国の皆様の中にも、この報道に接して、途方に暮れた方がいたかもしれません。
 この事件以来、「命の尊さ」について、子どもたちに話す機会が増えました。
 この事件の根底には、様々な経緯や特別な事情が絡み合っていると思います。その一つとして、「優生思想」が考えられます。「生きる価値がある人、価値がない人」、「頭の良い人、悪い人」、「役に立つ人、立たない人」という偏った考え方で人を捉え、命に優劣をつける思想です。
 私は,相模原の事件を「特別な考え方をもつ変質者による犯行」として、風化させてはならないと思っています。むしろ、私の心にもあるかもしれない誤った思想と向き合っていくことだと考えています。
 日本の福祉の実践者である糸賀一雄先生は、次のような言葉を残しています。
「この子らはどんな重い障害をもっていても、誰と取り替えることもできない個性的な自己実現をしているものである。人間と生まれて、その人なりに人間となっていくのである。その自己実現こそが創造であり、生産である。
 私たちの願いは、重症な障害をもったこの子たちも立派な生産者であるということを、認め合える社会をつくろうということである。『この子らに世の光を』あててやろうという哀れみの政策を求めているのではなく、この子らが自ら輝く素材そのものであるから、いよいよ磨きをかけて輝かそうというのである。『この子らを世の光に』である。
 この子らが、生まれながらにしてもっている人格発達の権利を徹底的に保障せねばならぬということなのである」  (「糸賀一雄著作集III」より)

 皆様、これからも私たちは、子どもたちへの「愛」をもって生き、その上で交流を進め、韓日の絆と、世界平和の実現に向けて、強く連携していきましょう。

         愛に満ち、愛を育て、愛を実践するミラル学校の同志へ

                 たすく株式会社 代表取締役 齊藤宇開



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