【たすく代表ブログ】 今勇気をもらっているのは私たちだ



「当事者たちの言葉に耳を傾けなさい」これは私の師匠からの言葉です。
ヘレン·ケラー女史を支えたサリヴァン先生が伝えたとされる “Simply,Go on”「ただ続けただけ」は、たすくの療育では「ずっと一緒だよ!」と肩を並べて愛されている言葉です。

 療育を保護者の皆さんと長く続けていると、この“Simply,Go on”が心に深く染み込みます。本当にサリヴァン先生は、“Simply,Go on”だったんだろうなと思うのです。
 1936年、病床に伏していたサリヴァン先生は、日本への啓発の旅を実行すべきか悩むヘレン·ケラー女史に「日本に行ってあげなさい」と遺言したと言われています。


 
 ヘレン·ケラー女史は、1937年、岩橋武夫氏(日本ライトハウス館長)からの来日要請を受け訪日し、3ヶ月半に渡り日本各地を訪問しました。なんと北海道函館盲学校にも来ています。学校に来日時の写真が飾ってあります。私と渡邊倫(札幌教室長)が教職員として初任時代を送った学校です。

日本ライトハウス http://www.lighthouse.or.jp/


 ヘレン·ケラー女史は結局、日本に3回も訪問しました。
母国アメリカから「大統領自由勲章」、フランスからは「レジオン·ド=ヌール勲章」、日本から「勲一等瑞宝章」など、もらった勲章はどれも最高のものです。
当時の日本はまだまだ障害者に対して偏見に満ちていた時代でした。
そこへヘレン·ケラー女史は船に乗って来日し、北海道の函館まで来ているのです。
そうして親日家であることを公言していました。


 令和2年度も、東京都の特別支援学校10校から専門家としてのサポートを拝命しました。
大きな変化は知的障害の特別支援学校だけではなく、肢体不自由の特別支援学校からも依頼があることです。
子どもたちの可能性を信じて、「学ぶ」ことを願うことは、知的障害に続いて肢体不自由の特別支援学校からも要望があります。
 その中の一つである「東京都立光明学園」は、光明養護学校として
1932年(昭和7年)6月1日に開校した肢体不自由者のための日本最古の学校です。


 東京都立光明学園(新築)


 「光明(こうめい)学園」が学校名ですが、日本語では「光明(こうみょう)」とも読みます。「光明」の読み方は二つあります。
私はこの学校に行く度に、日本の障害者支援の先人が刻んだ「志」を感じます。
光明とは「前途に光明を見いだす」などの言葉として用いられるように、明るい見通しや、希望の光を指します。先人の志と強い決意、気迫が感じられます。
 今の私たちに、勇気を与えてくれる言葉です。

 光明学園には高等部もあって、知的障害の特別支援学校とは違う衝撃がありました。
 「不満」を口にする生徒が複数いるのです。
青年期には必ずついてくる「不満」を率直に表現する肢体不自由のある生徒の姿は、
ヘレン·ケラー女史に通じるものがあるでしょう。
 そんな子どもたちの「意思決定支援」を育てることが、先生たちと私たちの使命だと思って協働を進めていきます。


 そして、現代のカリスマ、テンプル·グランディン女史です。



 テンプル·グランディン女史は、前半生でもとにかくオリジナルの人生で凄いのですが、
今は、自らの脳をMRIなどを用いた脳画像の研究に生かすように何度も画像診断の治験に参加しています。

 ☞オススメの本:自閉症の脳を読み解く テンプル·グランディン著 NHK出版
        https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000816312014.html


 私もテンプル·グランディン女史の言葉を見つけてはプレゼンテーションの題材に使います。
特に近年注目されるようなった「感覚処理の問題」については、テンプル·グランディン女史の功績が大きいと思います。

 最後にもう一度、ヘレンケラー女史の登場です。
スタッフが毎朝読む「たすくナビゲーター」の最後に書かれている言葉を、皆さんと共有します。



安全とは思いこみにすぎない場合が多いのです。
現実には安全というものは存在せず、子供たちも、誰一人として安全とは言えません。
危険を避けるのも、危険に身をさらすのと同じくらい危険なのです。
人生は危険に満ちた冒険か、もしくは無か、そのどちらかを選ぶ以外にはありません。

Security is mostly a superstition.
It does not exist in nature, nor do the children of men as a whole experience it.
Avoiding danger is no safer in the long run than outright exposure.
Life is either a daring adventure, or nothing.


偉大な当事者の言葉に勇気づけられています。
そして子どもたちが真剣に取り組む姿にゆうきをもらっています(今はWeb上でね!)


 今こそ、私たちは、新たな価値を創造し、「光明」を見いだそうではないか!


(写真 「思考手帳」できました!)




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