【代表ブログ(研究と地域実践をつなぐ)】感覚処理の問題に注目

感覚処理の問題について、ますます重要になる

感覚処理の問題は、ASDやADHDのある人にとって深刻な問題です。


・臨床的に困ると想定しやすいのは、感覚過敏と感覚探究・・ただし、低登録(感覚鈍麻)と感覚逃避についてもしっかりと着眼する。

 専門家が子どもたちをアセスメントするときに、やっぱり気になるのは感覚過敏と感覚探究です。一方で、低登録(感覚鈍麻)と感覚逃避は、直接的には困っていないように写る傾向があると思います。 (たすくの療育8 part2  P11 Dunnの表より)
*大事なのは、能動的(感覚探究、感覚逃避)と受動的(感覚過敏、低登録)の視点であり、4項目全てが,異常値があったら、異常値として捉え、重大な問題だと気づくことだと思います。

・能動的(感覚探究、感覚逃避)と受動的(感覚過敏、低登録)の視点

1能動的
 1−1感覚探究:我が国の文化として探究することはネガティブ状態に追い込まれる
        ことが多い
  例)ジロジロ見る、キョロキョロする、ベタベタ触る、落ち着きがない、音を出す

 1−2感覚逃避:静かな環境に自ら入ることができれば解決したすい
  例)大きい声を出す人が嫌い、雑踏を避ける、音を出さない

2受動的
 2−1感覚過敏:感覚処理問題の代名詞とも言える
  例)鉄道の汽笛が気になってホームには入れない、普通に触れない

 2−2低登録:本人も他人も気づいていないことがあるので要注意です
  例)腕が折れているのに痛がらない、

・ADHDとASDのプロファイルの違い

 ・ADHDは、4要素が絡む
 ・ASDは、感覚過敏と低登録と感覚逃避、の3要素(感覚探究を除く)
 ・ASDや虐待による愛着障害は、受動的な感覚処理(感覚過敏、低登録)を
  伴うことが多い。
 ・よって、ADHDが、感覚探究が高い。新奇の刺激を求めようとする遺伝的タイプの
  人が多い。
  文献)岡田尊司 https://www.clinic.kokoro-support.net より

・やっぱり「感覚の過敏」に対応するための3つのフィルター

 ①構造化して感覚刺激を統制してあげる
 ②スケジュールを定着させ、交渉をして認知させながら、感覚刺激を予測つくものにする
 *認知行動療法:基本的には「認知の三角形(認知⇔行動⇔感情)」を自ら確認する
  ことが大切
③「感覚の閾値」の概念を用いて、その閾値の調整をしてあふれさせない
 *閾値はイライラしていたり、前後のイベントへの不安など様々な徴候を対象に
  しています

添付資料)
ずっと一 緒だよ ! 「たすく」
感覚調整障がい Dunnによる4つのタイプ 感覚調整障がいとは
感覚統合理論の中では感覚入力過程に問題があり,身体や環境からの感覚入力に対し て低反応または過反応を示すことを感覚調整障がいと呼んでいます。これは,「人の世 界が外因的,文脈的に要求することと,人体内部の特性の間で生じる不適合性(Hanft et al.2000)」とも言われています。 Dunn(1997)は感覚調整障がいを大きく4つのタイプに分類しています。それらは「低 登録」「感覚探求」「感覚過敏」「感覚逃避」です。支援者は,対象となる子どもの感 覚調整障がいがどのタイプであるのか,それが複数ある場合はどのような組み合わせが あって起こっているのかを推定してから,支援の計画を立てることが必要です。





参考文献:岩永竜一郎(2010)自閉症スペクトラムの子どもたちへの感覚・運動アプロー チ入門.東京書籍.
Dunn W(1997)The impact of sensory processing abilities on the daily lives of young children and their families: A conceptual modl.Infants and Young Cildren 9:23-25.


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