【代表ブログ(研究と地域実践をつなぐ)】てんかんの対応・大きな発作の場合


【代表ブログ(研究と地域実践をつなぐ)】
てんかんへの対応
-大きな発作の場合-

てんかんの発作に関する知識やその対処方法は、ASDをはじめとする発達障がいのある方にはとても大切なことです。

 今回の事例は、早朝から正午までに、行っているノルディックウオーキングでの出来事である。気象状況は、気温8℃、雨、かなり肌寒かった。参加者は、スタッフ総勢5名(大澤、河野、野村、綱川、齊藤)、利用者6名であった。
状況: たすくのノルディックウオーキングの中でも上級クラスは、かなりのスピードで歩く。本児は、相当のスピードで後を追った。その結果、疲労が蓄積し途中で減速、野村さんの対応になってゆっくりと中継地点の公園に到着した。 到着後、吐き気を訴え、嘔吐。数分後に座り込み、嘔吐。眼が回ると訴えると同時に、激しい眼球の旋回(グルグル回る)、手の震え(ガタガタ)、上半身の突っ張り、白目を剥いて、記憶を失ったよう。一瞬、顔面にうっ血(呼吸困難)、嘔吐物で窒息を防ぐため慌てて頭部を倒し、顔面を横に向ける。同時に大量の嘔吐。50秒大発作(河野・計測)
大発作後: 現地が吹きさらしの公園のため、タクシー会社2社に電話、注射できず、移動が必要とのため、江ノ電の極楽寺に向かう(代表の齊藤がポールを持ち、野村、河野で本児の両脇を抱える)。 偶然、坂の上でハイヤーが空車で通りかかる(まさに奇跡!)。4名とも乗車できることになり、自宅へ直行、父母に説明した。
説明の趣旨(齊藤宇開)
・発作があったのは2年前、服薬をしているが、最近の主治医は不安定
・発作の様子は,嘔吐を伴ったりすることも含めて、全て同一だった

以下、文献より(引用あり)

てんかん協会 https://www.jea-net.jp/

【強直間代発作(大発作)とは】
強直間代発作とは、もっとも典型的なてんかんの全般発作である。症状として、意識障害や持続性の筋収縮により手足を突っ張るような発作(強直性のけいれん)に引き続き、数十秒~1分後に間代性のけいれんがみられる。発作中には、舌をかんだり、失禁がみられたりすることがある。本児の場合のように、嘔吐も含まれる。発作後は、大きな息を吐き、眠り込む。脳波は両側同期性の棘徐派結合を示す。


強直間代発作の症状
強直間代発作は、概ね、突然に意識消失を起こすとともに、全身性の強直けいれん、ついで間代けいれんの症状を起こす発作であるため、本児の例は、強直間大発作にしては緩やかに起こった。発作が起こると、顔面蒼白、瞳孔散大、呼吸停止、四肢・体幹が硬くなったり、唾液亢進、尿失禁、いびきなどが発作の影響で生じる。本児の場合は、激しいけいれんがあったが、呼吸停止は見られなかった。発作時間は、20~30秒続き、覚醒後は、発作に関して全健忘を残すことが特徴な発作である。

強直間代発作の原因
強直間代発作は特発性てんかんから起こる発作であるが、脳の特定の部位に過剰な興奮が起きているということは分かっている。ただし、その原因は現在のところ不明である。MRIやCTを用いて脳の検査を行っても異常は見つかっていない。本児もおそらく不明の可能性が高い。近年では世界中で熱心に研究されており、起こりやすさに遺伝的な要素が関連していると考えられている。

強直間代発作の検査と診断
強直間代発作(きょうちょくかんだいほっさ)は、てんかん発作の一種である。突然意識が消失し、全身の強直性痙攣、その後に間代性痙攣に移行し発作後、異常興奮・または自然睡眠に移行したりする発作の名称である。検査方法として、脳波検査が必須である。てんかんの脳波を調べる。てんかんはその種類によって、それぞれ特徴的な脳波が存在する。本児は「東戸塚の田中神経クリニックに予約を入れるように伝えた」
田中神経クリニック http://www17.plala.or.jp/epi-tanakama/index.html

強直間代発作の治療方法
抗てんかん剤を服用すれば、強直間代発作を治療することができる。定期的にてんかん抑制剤を服用することで、症状の発症を予防することが可能である。痙攣が激しい時は、抗痙攣薬の投与を受けると痙攣と失神の症状を緩和することが可能である。意識を失う症状が出た時は、強心剤を使った治療法で失った意識を取り戻すなどの処置をするが、今回のような症状が軽い時は安静にしていると発作が治まる



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